天日干しの煎餅生地を備長炭で焼くのが一番美味しい理由

一番美味しい煎餅を食べるために、煎餅を知る

このページは天日干しの生地で作った煎餅がいかに美味しいのかを知って頂きたく、煎餅の作り方からご紹介するページです。

本当は機械で乾燥をしているのに「天日干し」と謳って販売している、一部の煎餅屋の煎餅を消費者が買ってガッカリするのを防ぐためにも深堀します。

■煎餅の作る工程を知る

1.洗米・・・米を洗い、浸して、水気を切る

米の準備は前日に行います

2.細かくパウダー状の米粉にする

専用の機械で細かく粉にします

3.蒸かす・・・蒸籠or蒸練機

蒸練機

4.シンコ(つく前の生地)

5.つく・・・餅つき機or蒸練機

6.切り抜く

7.生地を乾燥させる・・・天日干しor機械

8.焼く・・・ボイラーorガスor電気or炭

■煎餅に使う米を知る

煎餅に使われる米のランクと種類

煎餅に使う米のランクは当然あります。

1等米から家畜に上げる米、中には文章にするのを躊躇する米などもあります。

産地は国産米から輸入米など、様々ですね。

当然安い煎餅を作るには、等級の低い米や外国産の輸入米を使います。

安い煎餅のからくり

安い煎餅を作りたければ、米のランクを下げ、米以外のモノも混ぜ、輸入米を使い、混ぜればいい

■煎餅の生地を知る

混ぜ物の話

こだわりの煎餅屋さんのホームページで、こんな文章を見たことはありませんか?

「当店は混ぜ物を使っていません」

そうなんです。多くの煎餅屋さんは生地を生地屋さんに作ってもらいます。

生地を作る際、米から作る場合と、米粉から作る生地屋さんに分かれます。

米粉から作る際に、安い米粉を合わせたり、澱粉を混ぜたりして

材料費を削るんです。

当然味は落ちます。

が、コストはカットできます。

生地を蒸す、つく、そして乾燥させる

生地を蒸す

生地を蒸すには、蒸籠蒸しと蒸練機に分かれます。

蒸籠はボイラーなどを使い、蒸気で蒸します。

蒸練機は機械の中で、蒸して練ります。

もちろん、蒸籠蒸しはダントツに美味しいけれど

時間と手間がかかるため量産できないのがデメリット。

ほとんどの生地屋さんは、蒸練機になっています。

つく

餅つき機はお餅をつくように、ぺったんぺったんつきます。

蒸練機はつくのではなく、練ります。

もちろん餅つき機の方がはるかに美味しいですが、量産できないのがデメリットですね。

のす

丸い形や、ハート等の形にするためについた生地を薄く平らにし、それぞれの形に切り抜きます。

乾燥

天日干しと機械で乾燥に分かれます。

天日干しは、その名前の通り、お日様に乾かしてもらいます。しかし、おおよそ4日~1週間程度乾く時間を要するため、手間暇がかかります。急に雨が降ってくれば、慌てて生地を乗せた網ごとしまう作業が発生し、労力も大変ですが、天然のアミノ酸もお日様のパワーで増すため、美味しさ抜群です。

機械の乾燥は、大きな機械の中に沢山の生地を入れて乾かします。時間も数十分とかなり短縮できるので量産が出来ます。

ホイロ

ホイロとは煎餅を焼く前に煎餅の生地を暖める事を指します。このホイロによって、生地の中の芯を無くして美味しくする、あるいは堅さの調節、歯ごたえ、風味が変わるので、煎餅を作る過程で「肝」となる行為です。ホイロには、全行程の乾燥の機械に入れたまま、連続して出来るものと、ガス、電気、炭の上に生地を乗せてホイロをする行為に分かれます。

※上記写真は、下に電気の熱源が(電熱線)が入っており、下から電気の熱で上に置いてある生地を暖める、電気を使ったホイロです。

■煎餅の焼きを知る

大型の機械で、最初の工程からすべてベルトコンベアーのように一連の流れで出来るものから、魚を焼く網のようなものを2枚合わせた感じにして間に煎餅の生地を挟み、それをガスや電気が入っているBOX等の中に入れて焼く網焼き、ガスや電気の熱源の上で手で焼く手焼き、炭の上で焼く手焼きに分かれます。しかしながら今の煎餅屋の中で一番多いのは意外かもしれませんが、大型の機械で作る煎餅屋さんだと思います。美味しさで言えばもちろん、炭の上で焼いたものが一番美味しいですが、量産は出来ないため、収益をどうするかが課題です。

■煎餅の味付けを知る

煎餅の味付けには、醤油、塩、みそ、パウダー等ありますが、コストカットするにはここで差を付けられます。当然安い材料を大量に買えばコストを抑えられますので、安い米と安い醤油などを用いて作れば相当原価を安くできます。もちろん、味もそれなりです。ただこだわればこだわるほど、原価も上がり、手間も増える為、いわゆる売価が上がります。そうするとお客様に出していただく値段も上がるのが辛いところです。「こだわりの美味しい商品が安い」これが消費者に一番うれしいですよね。

ちなみに知り合いのとある煎餅屋は原価を抑えるため、生地も混ぜ物、醤油も安いものを使っており、本当に不味いです。Amazonで販売していますが、かなりの人に「不味いにもほどがある。安さにつられて買った自分がバカだった」等かなり辛辣なレビューを書かれています。このコメントを見た私は、味のわかる消費者ってたくさんいるんだと嬉しく思いました。

■天日干しの定義と効能

正確な定義は無いのかも知れませんが、これをあえて書くのは理由があります。とある煎餅屋は、焼く4時間前に生地を天日に干しているので「天日干し」と謳い高く販売しています。ほとんどの天日干しを行っている煎餅屋は、のしてから生地が乾くまで数日間、天日で干しています。なぜ天日干しが美味しいのかというと、太陽に含まれる紫外線が、栄養価を高めたり、栄養素を増やしたりします。特にミネラル(鉄分やカルシウム)やアミノ酸、ビタミン含有率が高くなり、旨味成分も高まると言われています。私個人として、天日干と胸を張って言えるのは、最初から最後まで天日で干されたものだけだと思います。そうでないと、天日干しに誇りを持ち、手間をかけて作ってくれる職人さんが可哀そうです。

■まとめ

本当に煎餅が好きならば、ホンモノの天日干しの生地を一度で良いから召し上がってみてください。どれだけ米が美味しいかがわかります。もしあなたがご贔屓にしている煎餅屋で「天日干し」の煎餅を売っているならこう、聞いてみてください。「何日、天日干ししていますか?」と。

天日干しの美味しい生地を使った煎餅

世の中の、天日干しの生地と謳って売っている煎餅が本物かどうか、当店の天日干しの煎餅と食べ比べてください。当店の天日干しの生地を使った煎餅を食べて頂ければ、味の好みはありますが、「おせんべいの生地に使っている米の旨さ」が群を抜いてわかります。これが天日干しの生地かとご納得いただけます。お日様のパワー。1週間前後かけて作る天日干しの生地。職人の努力を召し上がってみてください。そしてひたむきに天日干しをしている煎餅屋さんの煎餅を食べ比べてみてください。

 

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