せんべいを食べたことのない日本人は恐らくいないでしょう。
それ位、せんべいは私達が育つ家庭で愛されてきたソウルフードです。
だからこそ、せんべいがどんな原料・材料で出来ているかを知りたい人はたくさんいるので、プロである煎餅屋が包み隠さず、お伝えしたいと思います。
目次
煎餅屋が教える、せんべいの基本のき
生地・・・せんべいの生地は基本的に2種類で、産地はマチマチ。
- うるち米(お米)
うるち米はお米の事であり、ほとんどのおせんべいで使われている原料で産地は国産が多く
東日本地方の煎餅屋のほとんどは埼玉県・千葉県・茨城県・東北地方・北陸地方のうるち米を使用。 - もち米
もち米は、おかきやあられの原料で使われています。
産地は国産だけではなく、外国産も多い。特にタイ産は多い。
味付け
- しょうゆベース
濃口・薄口・たまりなど
- 味噌ベース
白みそ・赤みそ・ブレンド
- 塩ベース
塩
- パウダー系
カレー・チーズ・わさび等(特におかきやあられで使われる )
添加物
- 添加物有り
アミノ酸やカツオエキス・鶏エキスなど(ほとんどの煎餅は こちら)
- 添加物無し
添加物不使用のため素材のみ
煎餅屋から見た、せんべいに関する原料のこだわり
飽食の時代になり、ほとんどの外食や惣菜では、化学調味料がそれなりに入っています。
化学調味料が悪かどうかではなく、年齢を重ねる毎に口から入るものがどんな原料で出来ているか心配になる人も年々増えてきており、子供を育てる過程でも、出来る事なら安心安全なものを食べさせたいと心底考える方も増えてきている昨今。
せめて自分達で作るものや、おやつ位は、商品の後ろに書かれている【原材料】を見て購入したい。
そんな方々にイマドキの、煎餅屋がこだわる、せんべいのこだわりをお伝えします。
- 生地のこだわり
生地にこだわっている煎餅屋は多い。特にお米の産地にこだわっています。
製法(蒸し方)にこだわる煎餅屋もいますが、さほど多くない印象です。- しょうゆのこだわり
不思議ですが、知る限り、しょうゆにこだわっている煎餅屋はあまり多くないと思います。
一般的な家庭用の有名処のしょうゆを使う煎餅屋は多いでしょう。
恐らく機械で大量生産するためには、コストと何よりも一斗缶で提供しているポピュラ ーなしょうゆメーカーを選ばざるを得ないのではないでしょうか。
- 味付けのこだわり
味付けは煎餅屋によって様々であり、差別化する最大のポイントになります。
ただしほとんどの煎餅屋は機械でせんべいを作るため、機械の中にしょうゆ・アミノ酸・砂糖みりんなどを数袋から一斗缶で、ドバっと入れます。
もちろん 〇〇エキスなどもこの時に入れられ、いわゆる機械で作る煎餅の味は「添加物の配合」 でかなり味が変わるのです。
現在はほとんどの手焼きせんべい屋も、この「添加物の配合」に より、味付けの差別化を図っていると言えます。
なぜ大半の煎餅屋が化学調味料を入れて作るのか
ズバリ、スナック菓子の影響であることは間違いないでしょう。
世の中たくさんのスナック菓子が出てきて、味もバリエーションに富んでいます。
大手メーカーも味に試行錯誤し、様々な化学調味料を合成し、美味しいスナック菓子を作ってきました。
その中で、素朴なせんべいは追いやられ、せんべいは「堅い」「年寄りの食べ物」「味が単調」と若年層に嫌煙されます。
多くの煎餅屋は危機感を覚え、味付けや煎餅の堅さを工夫し、味を現代風にし 若年層を取り込むため
「化学調味料の配合」をして、「その店オリジナルの味つけ」にチェンジしたのです。
化学調味料は万能だから、配合さえ決まれば、「誰が作っても変わらない安定した味」となります。
逆を言えば、素朴な材料で美味しいせんべいを作ることは職人技となり、
職人がいない煎餅屋には、製法や材料にこだわった美味しい素朴なせんべい作りはほぼ不可能となったのです。
手間もかかり、量産自体が出来ないと、売り上げのアッパーも決まります。
量産出来ないといつまでも「小さな煎餅屋」にしか過ぎず、こだわりの煎餅屋≠売れている煎餅屋であり、
スナック菓子に勝つためには原料にこだわれず、万人受けする味にするしかなかったのかも知れません。
醤油の効能
せんべいの代表的な調味料は醤油です。
醤油は、大豆と小麦等を原料としている為、大豆アレルギー・小麦アレルギーの人には不向きでしょう。
醤油の効能で有名なのは、「フラノン」「メラノイジン」「ペクチン」
- フラノンとは
何と言っても香り成分であり、あの醤油の焦げた香りは食欲をそそり、そして抗酸化作用があります。
がん予防効果があると言われコレステロールを下げる効果があります。- メラノイジンとは
- 血糖値の上昇を抑制する働きがあります。
- ペクチンとは
- 乳酸菌や善玉菌を増やす効果があり、整腸作用や免疫力UPに効果があります。
食品添加物のメリット・デメリット
なぜ食品添加物を入れるかと言うと調味料や香料、防カビ・防腐・甘味等のためでしょう。
安全性はうたわれているようですが、合成的に作られた、防腐剤や漂白剤を永遠に摂る事は体に良いとは思えません。
少なくても、外食で食品添加物が入った食事をすることが多い以上せめて自宅での食事やお菓子は添加物不使用のものを摂りたいですね。
食育とアンチエイジング
万人受けしなくてもイイ!原料にこだわった先にあるモノ~食育とアンチエイジング~
食物アレルギーがあったり、敏感な方や、食通、オーガニックをこよなく愛す人は、化学調味料入りの味がすぐわかります。
それは食した時の舌に残るうっとおしさや、舌に微かにあるピリピリとしたしびれ、止まらない喉の渇きがあるからでしょう。
化学調味料がいけない訳ではないけれど、摂らないで済むものなら出来れば摂りたくない人は、世界中にたくさんいるのです。
私達の身体を作るベースとなる物は、カラダが喜ぶ食べ物
子供の頃から、自然で昔ながらのおせんべいを与えることは食育の面からもとても大切なことで堅いおせんべいは、顎を鍛え、脳トレーニングにも一役買っています。
原料にこだわったおせんべいを食べることは私達のアンチエイジングにも繋がります。
たかがせんべい、されどせんべい。
お米としょうゆの正しいハーモニーは、100年先、200年先も続き、素材や作る工程、原料にこだわる煎餅屋も100年先、200年先に正しくバトンが繋がるよう努力をし続けなければならないのです。
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